「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」を健康寿命といいます。厚生労働省はそのカギを握るのは「フレイル」(虚弱)予防としています。健康状態と要介護状態の中間が「フレイル」で、「可逆性」(元の状態に戻りうる)の特性があります。高齢者音楽療法の目的と活動内容は、①身体機能の維持と改善 音楽のリズムに合わせて行うリズム体操やストレッチ体操。歌唱活動、発声、呼吸法、手指の巧緻性を高める楽器活動やリズム活動。②見当識訓練・脳トレ音楽 見当識に働きかける季節の歌、同時歌唱(違う歌を同時に歌う)や輪唱、交互歌唱等により、認知・言語能力が改善され集中力を高めます。 ③回想による脳の賦活 なじみのある楽曲から、故郷の自然、若いころのイメージが想起されます。意識下にあった感情や体験が甦ってきます。④情緒の安定化 音楽の鎮静的機能と刺激的機能をそれぞれの目的別に適用して情緒の安定へと導きます。⑤音楽による自己実現で満足感 自分らしさを表現し、自己実現へ導きます。⑥人との交流 コミュニケーション能力の維持改善が期待できます。住み慣れた地域の音楽療法に参加することにより、孤独感から解放され他者との交流が保たれ、認知症の発症を防ぎ、音楽のもつ力の作用により心身が活性化して、フレイル予防に繋がります。